よく自分は裸足の研究というのは物が絡まないのでなかなか進まないと言っていますが、全く無い訳ではありません。1987年のHANAとロビンズ博士の研究には実は凄く大切なメッセージが込められています。この研究はシューズを履いて来た人達が裸足で6ヶ月間歩くとどうアーチの働きや動きが変化するか的なものでした。覚えている限りでは確かアーチの柔軟性が増し、衝撃吸収能力があがるというもの。
この研究以降はあまり大きな裸足の研究というものは殆どありませんでした。裸足の研究で一躍有名になったリバーマン博士の研究はあくまで既に裸足で走っている人とシューズを履いて走っている人の違いを調べたもので、シューズを履いて走っている人達が何ヶ月か走らせての変化をみたものではありません。
勿論シューズを履いている人を裸足で走らせた研究もありますが、これは一回きりの研究。ようはシューズを履いている人がいきなり裸足で走ったらどうなるか。これは当然走り方が変わらない人は衝撃が増えるし、走り方が変わる人は衝撃が減るのでなんともいえない研究です。ちなみにこの系の研究からの結論は基本的には衝撃が裸足の方が増えるというものが多かったです。でもこれから何が言えるのか。裸足になったら走り方変わるよねって思っている人が多いと思いますが変わってない人の方が実際には多いという事がわかると思います。前にメカノレセプタの話をしましたが、足裏のセンサーもうまく働かなくなっているのも原因の一つ。そして癖がついているのも原因の一つ。 って思います。
こういう意味で実は自分がやった研究というのはシューズを履いて来た人達が裸足で7週間走ったらどう変化するかをみているので、ある意味世界で初めて?の裸足ランニングの順応性を調べたものです。結果は失敗しましたが。。。やって思ったのですが順応性をみるとすると本当に色んな事が絡みすぎて奇麗なデータを出すのは本当に難しいです。ましてやシューズでしか走っていない人達を裸足で定期的に走らせるのは本当に難しい。。
単純にビジネス的な理由もあるのですが、こういった難しさもいっぱい出て来ます。でもだからこそここに研究者の力がいるのではと改めて考え始めている今日この頃。実はサンディエゴ時代の友達が研究職にいるのでもしかしたら何かやれるかもです。裸足ランニングクラブのメンバーにも1人研究職につく予定の人がいるので色々と協力してもらえるかもです。
という長い前置きはさておき、慶応大学でも裸足歩行の研究がされていました。
http://sports.hc.keio.ac.jp/_userdata/Newsletter9.pdf
そして注目して欲しいのが結論。
靴 は 足 ア ー チ の Truss mechanism や Windlass mechanism といった働きを弱める機能があるため、裸足ランニングは注意 しておこなえば、足の障害を予防し、かつその運動効果をより 高める可能性がある。
靴は足アーチの働きを弱めると。アーチは衝撃を吸収するだけでなく、前に推進するエネルギーを伝えるためにも重要な役割をしているわけだから、アーチだけ考えても衝撃吸収、エネルギー効率という事から考えても裸足が理にかなっている事がわかります。
そして歩く事なら比較的安全に機能を取り戻していけそうですね。走るといきなりやりすぎるのでここだけが懸念材料ですが。足痛めてしまった人は歩くとこからですね。
あ、ちなみにこの研究でも書かれていますが“注意して行えば”ですからね。少しづつやってみませんか?
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実は昨日マラソンのメダリストと話す機会があって改めて考えさせられたのは
否定しても何も始まらないという事。 何がいいかを伝えればそれだけで十分と。
その人も裸足でずっとトレーニングしていて、体の使い方の話していたら凄くよく理解してくれました。引退した今もスポンサーの関係で直接何かするという事は出来ませんが。
裸足は否定や批判される事も多いのですが、それを否定で返していたらどうしようもない。改めて気づかされた一日でした。また成長ですかね?w
それからその人と話していてもう一つ思ったのは、やっぱり自分もしっかりと走ろうかなって思いました。論より証拠です。バケーションから帰って来たらトレーニング始めようかな。ってつくばは???笑)
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